What's the matter? No matter - 仏教ブログ

個人的趣味で仏教を勉強するためのブログです。ブログ主は菩提寺を除いて特定の宗教団体と関わりを持っていません。

地論師・釈世親『法華論』 (Saddharmapuṇḍarīka-vyākhyā)

後魏北天竺三藏菩提留支共沙門曇林等譯

 

*経に曰く、「一切の諸仏諸菩薩に礼拝する」と。(namaH sarvabuddhabodhisattvebhyaH)

 

(經曰,歸命一切諸佛菩薩。)

 

♪~〔大〕海の〔ごとき〕正等覚者(ブッダ)と、清浄なる法(ダルマ)と、為すことなき(為すべきことを成し遂げた者たちの)僧(サンガ)に敬礼して、甚深なる利〔を知る〕識者(vijJu)のために、〔私は聖典の〕解説(vyAkhyA)を明らかに示すであろう。

 

♪~牟尼王(munendra)、菩薩、声聞の方々を恭しく拠り所と成し奉りて(zaraNaM gantvA)、法(dharma、zAsanA)をして自他を利益せしめるために、〔唯識行者たちの〕論母(mAtRkA*1 )の論議(kathA)〔の方法〕を簡略に出す(=用いる)としよう。

 

♪~慈しみ(maitrI)を〔世間に〕広め、もろもろの神通(abhijJA, vidyA)を下し給う〔ところの〕過去、現在、未来の〔三世の〕諸仏と諸菩薩に帰命し奉る。どうか〔四〕無畏(abhaya)を私に与えて、憐れみ(karuNA, anukampA)によって四魔(mAra)を抑止し、菩提(bodhi)を守護し、〔これを〕増長させてください。

 

(頂禮正覺海, 淨法無為僧, 為深利智者, 開示毘伽典。 祇虔牟尼尊, 及菩薩聲聞, 令法自他利, 略出勒伽辯。 歸命過未世, 現在佛菩薩, 弘慈降神力, 願施我無畏, 大悲止四魔, 護菩提增長。)

 

 

<共通と非共通の特徴による方法>(総別相門)とは、「みな阿羅漢である(sarvair arhadbhir)」(一切の阿羅漢たちと)などの十六句である。初めの句が共通であって、残りの句は共通でないものである。阿羅漢である者はアルハタ(arhata)である。十五種の「ふさわしい」(arhata)の意味を知るべし。

(總別相門者,「皆是阿羅漢」等十六句。初句是總,餘句別故。彼阿羅漢名之為應,有十五種應義應知。)

 

何が十五か?一番目は、飲食物、寝具、供養、尊敬などを受けるにふさわしい点から。二番目は、大勢の人びとを率いて〔かれら〕皆を教化することができる点から。三番目は、村落や都市などに入〔って托鉢す〕るにふさわしい点から。十二番目は、「世間的な禅定」(未到定、近分定)ある者を集めて心を清くすることができる点から。

(samAnAsamAnalakSaNadvAramiti sarvairarhadbhirityAdiSodazapadam/ pUrvapadaM samAnam/ anyapadAny asamAnAnIti/ yo 'rhan so 'rhataH/ paJcadazArthAnarhatasyaveditavyaH/ katamAni paJcadaza?/ prathamaM bhojanAMzayanAsanAMpUjanAmarcanAm AdAnArhatAt/ dvitIyaM mahAjanaMnItvA sarvamupadezanArhatAt/ tRtIyaM grAmAMpurAmAdiM praviSTArhatAt/ dvidazamaM laukyadhyAnAMsaMhantvA cittaparizodhanArhatAt)

 

(何等十五?一者應受飲食臥具供養恭敬等故;二者應將大眾教化一切故;三者應入聚落城邑等故;四者應降伏諸外道等故;五者應以智慧速觀察法故;六者應不疾不遲說法如法相應不疲惓故;七者應靜坐空閑處,飲食衣服一切資生不積不聚,少欲知足故;八者應一向行善行,不著諸禪故;九者應行空聖行故;十者應行無相聖行故;十一者應行無願聖行故;十二者應降伏世間禪淨心故;十三者應起諸通勝功德故;十四者應證第一義勝功德故;十五者應如實知同生諸眾得諸功德,為利益一切諸眾生故。)

*1:参考:「及菩薩所習摩徳勒伽藏」(『占察善惡業報經』)